「離婚って、どんな流れで進むの?」
「慰謝料や財産分与は、実際にどのくらい受け取れるの?」
離婚を考え始めたとき、このような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
私の場合、夫の不倫発覚後、約5年間にわたる別居中に離婚調停、裁判へと進み、最終的には裁判上の和解によって離婚しました。
その背景にあったのは、「妻としての立場を維持しながら、自分が納得できるまで離婚を急がない」という考えです。
結果的に、慰謝料や財産分与、別居中の生活費などを合わせると、離婚に関連して得たお金は3,000万円を超えました。
なお、子どもはいなかったため、親権や養育費は争点になっていません。
そこでこの記事では、一つの離婚のカタチとして、私が離婚するまでに経験したことを時系列でお話しします。
離婚を考えている方にとって、私の経験が少しでも参考になればうれしいです。
夫から離婚を切り出されてから、離婚成立までの流れ
まずは、夫から離婚を切り出されてから、約5年間の別居や調停、裁判を経て離婚が成立するまでを、時系列でまとめます。
| 時期 | 出来事 |
| 不倫発覚の約3か月前 | 夫から離婚を切り出される |
| 不倫発覚の約1か月前 | ビジネスホテルの領収書を発見し、探偵へ浮気調査を依頼する |
| 不倫発覚時 | 探偵の調査で不倫が明らかになる |
| 不倫発覚から約5か月後 | 不倫相手へ慰謝料500万円を請求する通知書を送る |
| 不倫発覚から約6か月後 | 不倫相手に対して損害賠償請求訴訟を起こす |
| 不倫発覚から約9か月後 | 夫が家を出て、別居が始まる |
| 別居から約1年後 | 不倫相手との訴訟で、裁判所からの提案により200万円で和解が成立する |
| 別居から約2年後 | 夫婦で住んでいたマンションを退去し、新居で一人暮らしを始める |
| 別居から約3年半後 | 夫側から離婚調停を申し立てられる |
| 別居から約4年半後 | 調停が不成立となり、夫側から離婚訴訟を起こされる |
| 別居から約5年後 | 裁判上の和解によって離婚が成立する |
夫から突然、離婚を切り出される
私たちの離婚は、夫の「もう別れたほうがいいんじゃないか」という言葉から始まりました。些細なことで夫婦喧嘩をした翌日のことです。
理由はいろいろ言われましたが、要するに「別れたほうが、お互いに幸せになれる」とのこと。夫から離婚の話をされたのは、このときが初めてです。
ただ、喧嘩をしてもいつも翌日には元通りになっていたので、「どうせ本気ではないだろう」と思っていました。
ところが、その日を境に夫の態度は一変。深夜の帰宅や「出張」が続き、それまでとは明らかに様子が違っていました。
ホテルの領収書を発見し、探偵へ依頼

離婚を切り出された約1ヶ月後、不倫を疑うきっかけがありました。
夫のズボンのポケットから、都内のビジネスホテルの領収書が出てきたのです。その日付は、夫が地方出張していたはずの日。
夫に聞いたところ、「家に帰りたくないから」とのこと。その言葉を半分は信じたものの、やはり浮気を疑わずにはいられませんでした。
ただ、夫のスマホにはロックがかかっており、中身を見ることはできず。
そこで、「自分ではどうにもできない」と思い、探偵事務所に浮気調査を依頼することにしました。

探偵の調査で不倫が判明した
最初に依頼した探偵事務所では尾行に失敗し、調査は途中で打ち切りになりました。
そこで、2社目の探偵事務所へ依頼し直し、合計4回の調査を実施。そのうち3回は、夫が相手女性の自宅やビジネスホテルへ出入りする様子の撮影に成功しました。
最終的に受け取ったのは、写真とともに夫の行動がまとめられた約50ページの調査報告書。相手女性の名前や住所なども判明しました。


弁護士に依頼し、不倫相手へ慰謝料を請求
探偵の調査が終わったタイミングで、弁護士を探し始めました。
10人ほどの弁護士に相談し、その中で「この人なら何でも話せそう」と感じた同年代の男性弁護士に依頼することに。
これまでの経緯を説明し、「離婚することになったら、有利に進めたい」と伝えました。そのうえで、まずは不倫相手へ慰謝料500万円を請求する通知書を送りました。
不倫相手に損害賠償請求訴訟を起こし、200万円で和解
その後、相手女性も弁護士に依頼し、私の弁護士へその旨を知らせる通知が届きました。
ただ、慰謝料請求に対する回答がなかったため、不倫相手に対して損害賠償請求訴訟を起こしました。
訴訟で請求したのは、慰謝料400万円に探偵の調査費用と弁護士費用を加えた、合計約550万円。
これに対し、相手側は当時の夫婦関係などを理由に減額を求めてきました。
その後、裁判所から示されたのは、200万円での和解案。最終的にその案を受け入れ、裁判上の和解が成立しました。
なお、訴訟を起こした後、話し合いの中で夫も不倫を認めました。ほどなくして、夫は家を出ていきました。
5年にわたる別居

夫が家を出た後も、私はそれまで夫婦で暮らしていたマンションに残り、別居生活は約5年間続きました。
「なぜ、すぐに離婚しなかったのか」と思う方もいるかもしれません。ここでは、私が離婚を急がなかった理由をお話しします。
再婚を望んでおらず、離婚を急ぐ理由がなかった
夫とは長く付き合ってから結婚しましたが、実際に一緒に暮らしてみると、生活スタイルや金銭感覚、人付き合いに対する考え方など、さまざまな違いを感じました。
また、私はもともと一人で過ごすのが好きなタイプで、結婚生活を経験してその思いがより強くなったため、再婚するつもりもありませんでした。そのため、離婚を急ぐ理由はなかったのです。
さらに、弁護士への相談を通じて、不倫など離婚の原因を作った「有責配偶者」からの離婚請求は、原則として認められにくいことを知りました。私が同意しない限り、夫がすぐに離婚を成立させるのは難しい状況だったそうです。
妻としての権利を手放す理由がなかった
経済的な理由もありました。弁護士に相談する中で、別居中であっても、夫婦それぞれの収入に応じて生活費を分担する「婚姻費用」という制度があることを知りました。
実際、別居後も私は夫婦で住んでいたマンションに住み続け、家族カードも使えたため、普段の買い物に困ることはありませんでした。
そのため、金銭面から見ても、妻としての立場を手放す理由はなかったのです。
マンション退去を機に、離婚の話し合いを持ちかけられた

別居から約2年がたった頃、夫から「マンションを出てほしい」と連絡がありました。住んでいたのは夫の勤務先の住宅制度を利用した物件で、その関係から退去が必要になったとのことでした。
その後、マンションを退去し、新居で一人暮らしを始めました。そのタイミングで、夫から離婚についても話し合いたいと言われました。
後日、財産分与や慰謝料、離婚後の生活費などについて、夫から書面で条件が提示されました。私の弁護士に見てもらったところ、特に有利な条件ではないとのこと。
当時は離婚を急ぐ必要もないと考えていたため、返事を曖昧にしたまま、しばらく様子を見ていました。
夫側から離婚調停を申し立てられた

夫から離婚の話し合いを持ちかけられてから約1年後、夫側の弁護士から書面が届きました。書面には新たな離婚条件が示されており、応じなければ離婚調停を申し立てるとのこと。
私の弁護士に確認してもらったところ、以前に提示されたものより、かなり不利な内容だと言われました。
その書面には返答せず、その後、夫側から離婚調停を申し立てられました。
第1回の調停で婚姻費用が月20万円に決まった
書面が届いてから約3か月後、家庭裁判所で第1回の離婚調停が行われました。ここでは、離婚条件よりも先に、別居中の婚姻費用について話し合われました。
それまで使っていた家族カードは使わないことになり、以後は毎月末に20万円が私の口座へ振り込まれました。この支払いは、離婚が成立するまで続きました。
なお、調停では夫とは別々の待合室で待ち、交互に調停室へ入って調停委員と話しました。そのため、調停期間中に夫と顔を合わせることは一度もありませんでした。
5回の調停でも、話はまとまらなかった
2回目以降も、離婚には応じない方針で進めました。その一方で、調停では主に次のような内容が話し合われました。
- 慰謝料の金額
- 財産分与の対象と金額
- 離婚後の生活費
- 家族カード利用分の精算
なかでも論点となったのが、別居後に私が家族カードで使った金額です。
夫から利用額の上限を言われていなかったので、同居中と同じ感覚で使い続けていました。月によっては、後に婚姻費用として決まった20万円を超えていました。
その利用額も踏まえて、財産分与や慰謝料などの離婚条件が提示されました。
調停を重ねるなかで、夫側の離婚条件は何度か変わりましたが、弁護士から「離婚を急いでいないなら、応じる必要はない」と言われ、いずれも受け入れませんでした。
最後の調停では、弁護士が「これ以上続けても合意は難しい」と判断し、調停は不成立となりました。第1回から最後の調停までは約10か月。調停は全部で5回でした。
調停不成立後、離婚裁判へ

調停が不成立となった後、夫側から離婚訴訟を起こされました。最初の裁判が行われたのは、最後の調停から約3か月後です。
調停のときとは違い、私も夫も裁判所へは行かず、双方の弁護士を通して手続きが進みました。
裁判のたびに私の弁護士から説明を受け、自分の考えを伝えたうえで、次の手続きを進めてもらうという流れでした。
そうしたなか、夫側から約1,900万円を支払う条件が提示されました。
弁護士からは、判決まで争った場合、受け取れる金額が1,900万円を下回る可能性があると説明を受けました。というのも、判決になれば、財産分与や慰謝料の金額は裁判所が判断するためです。
さらに、別居期間が長くなるほど、有責配偶者である夫からの離婚請求が認められる可能性も高まるとのこと。
そのため、判決まで争わず、1,900万円を受け取る条件で和解を選びました。訴訟開始から和解成立までは、約半年でした。

慰謝料・財産分与・婚姻費用などの合計は約3,500万円
離婚に関連して私が受け取ったお金と、別居中に夫に負担してもらった生活費をまとめると、以下のとおりです。
| 内訳 | 金額 |
| 不倫相手からの慰謝料 | 200万円 |
| 夫からの慰謝料 | 200万円 |
| 財産分与 | 約1,700万円 |
| 別居中の生活費(婚姻費用決定前:約3年半) | 約1,000万円 |
| 婚姻費用(決定後から離婚まで:約1年半) | 約360万円 |
| 合計 | 約3,500万円 |
※慰謝料と財産分与は、弁護士報酬を差し引く前の金額です。
※別居中の生活費は、家族カードの利用分を含む概算です。
離婚を経験して感じたこと

最後に、離婚までを振り返って感じたことをお話しします。
探偵に浮気調査を依頼してよかった
離婚を切り出された当時、夫婦関係は100%円満だったわけではなく、どちらかというと友達同士のような夫婦でした。
そのため、夫の言い分がまったく理解できないわけではなく、原因は夫婦関係にあると思っていました。
もし、あのまま話し合いだけで離婚していたら、不倫に気づかないまま、最終的に受け取る金額も大きく違っていたはずです。
だからこそ、ホテルの領収書を見つけたとき、探偵に調査を依頼したのは正しい選択だったと感じています。
なお、実際に依頼してわかった探偵事務所の選び方は、こちらの記事にまとめています。

弁護士選びは本当に大事だと感じた

今振り返ると、納得できる条件で離婚できたのは、自分に合う弁護士に出会えたからこそだと思います。
弁護士との打ち合わせでは、異性関係やお金など、他人には話しにくいことも伝える必要があります。正直、それだけでもかなりのストレスです。
もし相性の合わない弁護士だったら、話すこと自体が億劫になり、冷静に判断できなかったかもしれません。
私の場合、不倫相手への慰謝料請求から離婚まで、弁護士とのやり取りが5年以上続きました。
だからこそ、弁護士選びでは、実績だけでなく、相性や話しやすさも大切だと実感しています。
ちなみに、私が依頼した同年代の男性弁護士は、かしこまりすぎず、何でもストレートに話すタイプで、「この人なら包み隠さず話せそう」と感じたのが決め手でした。
何人もの弁護士と面談するには、時間も手間もかかります。それでも、実際に話したうえで、自分に合う人を選んで本当によかったと思います。
離婚後、一人の生活のほうが自分に合っていると気づいた
世間では今も、「離婚」や「バツイチ」に対して、まだまだマイナスのイメージがあると思います。しかし、実際に離婚してみると、私には一人の生活のほうが合っていると気づきました。
もちろん、結婚したからこそ得られたものもたくさんあります。夫は総合商社に勤めていたため、二度の海外生活を経験できたほか、経済的にも余裕のある暮らしができました。
一方で、私は一人で過ごすのが好きで、群れるのが苦手なので、海外駐在中の日本人同士の狭いコミュニティにはストレスを感じることも多くありました。
また、夫の家族や友人との付き合いも、私にとっては負担でした。
一人になった今は、そうした付き合いから解放され、自分の時間を自由に使えるようになりました。ストレスを感じることもほとんどありません。
また、私はフリーランスとして働いており、以前より仕事に打ち込めるようになったことも大きな変化です。離婚後のほうが、圧倒的に成長できたと感じています。
そんな実体験からわかったのは、結婚が合う人もいれば、一人でいるほうが心地よい人もいるということ。だから、離婚をそれほど悲観的に捉える必要はないと、今は思っています。
まとめ
この記事では、夫の不倫発覚から離婚までの流れをご紹介しました。
離婚を考えている方の中には、早く離婚して再婚したいという方も多いかもしれません。一方、私は再婚に興味がなかったため、妻としての立場を維持しつつ、納得できるまで離婚しない道を選びました。
私が離婚を考え始めたとき、同じような道を選んだ人の体験談を見つけられませんでした。だからこそ、「こういう離婚のカタチもある」と伝えたくて、私の経験をこの記事に残すことにしました。
これから離婚を考えている方にとって、私の経験が少しでも参考になればうれしいです。


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